ピラティス と免疫力について。リンディ・アーウィン

私たちが属すピークピラティス(アメリカ) の日本支部ピラティス アライアンス(東京)から下記の記事をシェアさせていただきました。

以下ピラティス アライアンスHPより

今まさにコロナウイルスが世界的に流行しています。
感染拡大を防ぐために外出を控え、様々なイベントや活動が自粛されている一方、適度な運動は健康維持そして免疫力を上げる効果が期待されます。

下記の記事は1918年にインフルエンザのパンデミックが起きた時のことをリンディ・アーウィン氏がブログにつづったものです。
ピラティスの歴史の一部を振り返りながら、ピラティスと免疫について解説してくれています。

 

ピラティス: イミューン・ブースター(ピラティス:免疫を爆発的に改善)

著者:リンディ・アーウィン、2019年2月10日

 

 ジョセフピラティス氏が自身の考案したエクササイズを使ったマットクラスを指導している風景↓ 写真転載許可:Googleより

マットピラティス

みなさん、今年は風邪やインフルエンザにかかったりしていませんか?

                                                  

前回のブログで紹介したピラティスをすることによって得られる健康上での利点の続きになりますが、ピラティスはそのエクササイズのデザインにより、免疫機能を高めることができるエクササイズだと知っていましたか?このことはこの時期に再認識されるべきであり、あなたがピラティスエクササイズを練習する101番目の理由としてください。ではピラティスが他のエクササイズプログラムと比べて具体的にどのように免疫システムを高めることが出来るのでしょうか?それをお話したいと思います。

 

第一次大戦中のジョセフピラティス氏

 

まず、ピラティスによってインフルエンザやウィルス疾患を実際に回避できた偉大さを理解するために歴史を振り返ってみましょう。1900年の初期の頃、ジョセフピラティス氏は当時はコントロロジーと名付けたコンディショニングのためのエクササイズプログラムを開発し始めたばかりの頃です。彼は、身体の機能を高めたり、更に健康になるためには、人は全ての身体動作を完璧にコントロールすることを学ばなければならないと信じていました。1914年に第一次世界大戦が勃発した時、ジョセフピラティス氏と彼の兄弟は、各地を回るサーカス団体の見世物で、その当時人気があった格闘技の芸をするためにイギリスを旅していました。ジョセフピラティス氏の国籍がドイツであったため、彼は敵国の在留外国人とみなされランカスター付近のマン島のキャンプへ抑留されました。キャンプの中で彼は他の抑留者たちに彼のエクササイズシステム(今のピラティスのマットエクササイズとして知られているもの)を毎日指導し始めました。同時期に彼は負傷兵が筋力と柔軟性を取り戻す手伝いすることで彼の理学療法に関しての天性の能力を生かし探求し始めたと言われています。

 

1918年に起きたインフルエンザのパンデミック

1918年にインフルエンザのパンデミックが大流行したときに彼はまだキャンプに抑留されていました。当時のスペイン風邪(インフルエンザ)は史上最悪の疫病でした。米国疫病対策センター(http://cdc.gov)の情報によると、インフルエンザは世界中で500万人に感染し、世界のへき地までも広まったそうです。50~100万人の方が亡くなり、その人数は当時の全人口の3~5パーセントでした。

 

新聞社が戦時中の士気を高めるためにドイツ、イギリス、フランス、そしてアメリカでの感染者数と死亡率を検閲したことによりそれはスペイン風邪として広く知られるものになったと米国歴史情報サイト(http://history.com)は、説明しています。しかし政治的にニュートラルな立場であったスペインに関しては新聞社はより正確な死亡数の記事を報道することができました。これによりスペインが極端に多くの感染者がいるような間違った印象を与えるようになり『スペイン風邪』として知られるようになったのです。

 

このインフルエンザが他の感染症と比べて異常だったのは、本来感染しやすい年少者や高齢者人口が影響を受けたのみでなく、第二の広まりが起きた時には抵抗力のある人口、20代から40代の年齢層の人々に多く感染したことでした。米国歴史情報サイト(http://history.com)は、米国兵士は戦死した数よりも1918年のインフルエンザパンデミックで命を亡くした人の方が多いと伝えています。ウィキペディア(Wikipedia)では『人間の歴史上最悪の天災である』とみなしています。

 

誰一人も死亡していない

この世界中に広まった容赦ないパンデミックの話を知ることで、ジョセフピラティス氏と一緒にキャンプにいた人の中では、たった一人としてこのパンデミックによって亡くなった人がいないという驚くべき事実を素晴らしいことだと判断できるでしょう。彼がいたキャンプは他のキャンプと全く変わらず、多くの人が混雑し様々な年齢層の抑留者が混在している環境でした。ただ一つ指摘できる違いがあるとすれば、抑留者達がジョーの指導のもとで毎日実践していたエクササイズシステムでしょう。ジョーが指導する毎日のエクササイズ形態により個々の力強い免疫システムを作ることができたと考えられます。

 

ピラティスをすることで具体的にはどのように免疫システムを強くするのか?

これについて少しの生理学の理論でなるべくシンプルにお伝えします。

免疫システムは基本的に体のリンパ系によって作られています。リンパはリンパ節を通して体中に分散されそして免疫細胞により、ウィルス、細菌、そして外部のあらゆる敵を検査して取り除きます。しかしリンパが身体中でこの識別する検査を行うためにはポンプの役割をする2つの筋骨格系の筋肉の働きに頼らなければなりません。リンパ系は心臓血管系のように自動的に働くシステムではないからです。だからこそ私達はウィルスや病気を回避するためにはピラティス特有の2つの筋肉を含む身体の動作にかかっているのです!

 

免疫機能を救う2つの筋肉

身体中を通してリンパ組織に動きを与える主となる2つの筋肉:

腹横筋-この深層にある腹筋はピラティスでの全ての動作で使われており脊柱に素晴らしい健康をもたらすと共に強くて健康的な呼吸と循環のために肺のポンプ機能を向上させます。

ふくらはぎの筋肉

 

基本的に、ピラティスの全ての動作は身体のリンパの動作を助けるようにデザインされており、それによりリンパ系が活性化して健康を維持できるのです。ジョセフピラティス氏はこの生理学とエクササイズの関係を理解していたと思いますか?もちろんです!ピラティスメソッドの基本として腹筋を使いながらふくらはぎの筋肉を鍛える振り付けのエクササイズがとても多いのです。

 

ふくらはぎの筋肉をポンプのように使うピラティスエクササイズ

深層にある腹筋と免疫システムを活性化させるためにふくらはぎの筋肉をポンプのように使うエクササイズが下記になります

リフォーマーでのフットワーク(特に最後のバージョンの“かかとの上げ下げ”)

ストマックマッサージ(最初の2つのバージョンで毎回かかとを上げて土踏まずのアーチを引き上げる)

クライムアツリー(リフォーマーでショートボックスを使って、足首のポイント/フレックスの振り付けを追加する)

マットでのショルダーブリッジ、キックを追加する

マットでのサイドキックシリーズで足首のポイント/フレックスの振り付けを追加する。

マットでのレッグプルフロント

ワンダチェアでのフット-アンクルエクササイズ

立位での伝統的なフットワーク、もしくは“2X4”

 

最後に、他にもこの風邪とインフルエンザの季節を通してピラティスを継続したほうが良い素晴しい理由があります。もしあなたがウィルスをもらった、もしくは感染症にかかったとしてもあなたがピラティスの一連のエクササイズを継続的に行うことによって病気と闘うことを助け、そして潜在能力を高め、より早く回復し、自分自身をまた感じることができるようになります。私の友達や家族は私が免疫システムについてなどほとんど知らないと言うでしょう。しかしもし私の人生にピラティスが存在しなかった時の私の免疫システムがどうなってたかを考えたくないほどピラティスは素晴らしいのです。

 

あなたの免疫機能が向上し、この時期を健康的に上手く乗り越えられますように。

 

あなたの健康を願って

リンディ・アーウィン