私ぐらいの年齢になると肩が痛くなった時、「五十肩かな?」っと疑うようになります。(-_-) 「五十肩」ですが実は正式な医学用語ではなく、医学的にも「五十肩」の定義は曖昧で「いわゆる五十肩」と呼ぶのが適当とされています。
ー五十肩の定義ー
①中高年に発症し、明らかな原因がなく肩の痛みと可動域制限(拘縮)が生じている。
②自然経過に伴い改善していく。←「時期がこんな治らんわぁ〜」ってやつですね。都市伝説ではないようです。(^_^)
他にも五十肩の発症に関連性があるとされる疾病では糖尿病、甲状腺機能亢進症などがあります。
ー理学的所見*から見た五十肩の特徴ー
1、圧痛(あっつう)
烏口突起*(うこうとっき)や肩の腱板*(けんばん)周囲に圧痛を感じることが多い(イラスト参考)
2、関節可動域の制限
他の人の手を借りて腕を動かす時でも全方向に可動域制限があることが多い。特に内旋での痛みが強く、結帯動作(腰の後ろで帯を結ぶような動き)に障害を伴います。また腕をあげる動作を後ろから見た場合、肩関節(肩甲骨と腕の骨の関節)の拘縮のため早い段階で肩甲骨の外転が伴う。
*理学的所見・・・医師が患者に対して直接,打診や触診,聴診などを行い様子を見て機能障害の場所や状態などを調べる検査法のこと。
*腱板・・・腱板は肩関節に安定性をもたらす、筋肉および腱の複合体のこと。(肩甲下筋けんこうかきん、棘上筋きょくじょうきん、棘下筋きょくかきん、小円筋しょうえんきん)
*烏口突起・・・肩甲骨の上部の前方にある突起した骨。
ー発症から自然治癒までの経過ー
①急性期・・・発症から拘縮が完成するまでの期間。動かすと強い痛みが出る(特に上腕内旋時)。安静時でも強い痛みがみられ、時には痛みから夜間不眠になる場合もある。
②拘縮期・・・拘縮が完成した状態。痛みはやや落ち着くことが多く、可動域限界を超える動きによって痛みが生じる。そのためどの程度の動きで痛みが出るか予想できるようになる。
③寛解期・・・徐々に痛みと可動制限が改善していく。
ー治療ー
代表的なものをピックアップしました。1、2、は自身でも出来ることです。
1、安静・保温
肩周囲を保温する事によりある程度痛みが軽減できる。肩周囲が冷えると痛みが増幅する場合が多いので夏も冷房の風に当たると痛みが出る人も多い。
2、運動療法
痛みがさほど強くない場合に行う。振り子運動*、棒を使った体操。これらは入浴後などに行うとより効果的です。ピラティスのウォールシリーズ、ロールダウン ウィズ アームサークルで同様の動作があります。その他滑車を用いた肩の挙上の関節可動域訓練があります。(こちらはセラバンドでも代用できます)
3、外用剤の処方
4、物理療法:ホットパックや低周波
5、関節内注射 etc
ー最後にー
いったん「五十肩」と診断されたり、自身で納得してしまうと「年のせいだから仕方ない、そのうち治る」と考えてしまいがちですね。またお薬や注射などを漫然と続けてしまうこともあるかもしれません。「五十肩」を改善していくためには下図のように痛みの悪循環を良循環へ変換する事が大切です。アイデア次第でピラティスを応用し運動療法に繋げられるのではないでしょうか。「ブリージング」でも肩周辺の筋のほぐしになりますし、その他にもウォールシリーズやアームウェイトシリーズ…etc。も有効だと思います。☆彡